ごめんねコラさん

どうもドフラミンゴの女です。

やっと80巻を手に取って読んでいます。
しかし読み始めて1/3にも差し掛からないところで、ローとセンゴクがコラさんの話をしていて、そこでまたメンタルダメージを受けて、もうダメです。ダメすぎてまたこのブログに逃げてきてしまいました。ブログタイトル、避難所にしようかな。


どんな世界にも、ごく稀に、無償の愛を持つ人は居るもので、ワンピースでいえばコラさんはその筆頭だと思います。
あんな酷い環境で生まれてもドフィのような巨悪にならず、優しさゆえに引鉄を引けず、ローのために死んでいった人。

コラさんはセンゴクさんに拾われて育ちました。センゴクさん曰く『正直で人一倍正義感を持ち、信頼のおける部下』だったと。

ドフィとの大きな違いですよね。ドフィはヴェルゴ、トレーボル、ピーカ、ディアマンテという4人に出会って、悪も正義も全部『許される』代わりに、『王』であることが『愛』だと思って育っただろうけど、コラさんはセンゴクさんの元で違う『家族』と『愛』を知って育ったんでしょうね。
センゴクさんは『親』で、ヴェルゴ達は『対等(親ではない)』だったことも、重要なのかもしれない。
父親を殺した時点で、ドフィにもう親はいないけど、コラさんにとってセンゴクさんは親と言える存在だったんでしょう(『息子のように思ってた』とセンゴクさんが言っているので)。
この親がいたかいなかったか、も、二人の正反対さに拍車をかけている気がする。

ローが、センゴクさんに真実を語るシーンで、『コラさんに命も心も貰った』と言うんですよね。
そこで、もう、なんか、なんかね。

ドフィのことも助けてあげて欲しかった。

あんなに壮絶な死を遂げたコラさんに、これ以上何をしろって話なんですけど。

ごめんねコラさん。
私は、兄ドフィを『止める』んじゃなくて『助けて』あげて欲しかった。

コラさんは、コラさん自身が思ってるよりドフィに大切に思われてた、と、思うんですよ。海軍のスパイとしてドンキホーテに所属して、ドフィの巨悪の芽を潰すことは、『正義』ではあると思う。でも、果たしてその『正義のための裏切り』が、ドフィを『助ける』ことだったのかと考えると、とても難しくて、前回の記事で書いたように、皮肉にもドフィの巨悪に拍車をかけてしまったと思うんですよね。

じゃあどうすればよかったってんだ、っていうとどうも出来ないし、どうも出来なかったから、そのコラさんに代わってローが引鉄を引きに来たし、共闘したルフィに倒された訳なんですけど。

なんか、もう、ドフィにとって唯一本当の家族だったコラさんが、ドフィを諦めてしまってる描写が、すごい苦しいんですよね。

『まるでガキの頃の兄を見ているようです』って、ローのことをセンゴクさんに伝えていて、ローがこの世の全てを恨んでることを理解出来るなら、お前はドフィのようになるなってローに言う前に、ドフィのことだって、認めてあげて欲しかった。
認めるのはちょっとダメだな。なんだろうな。
ワンピースにおける、『ドフラミンゴはどう足掻いても悪の心を持ってるのでどうにもなりません』っていう設定が辛いんですよね。

コラさん、ドフィについて、『心優しい父と母からなぜあんなバケモノが生まれたのか分からない』とか『あいつは人間じゃない』とか『生まれながら怯むことを知らない"悪"の性』とか言ってて(77巻)、ウーン、なんでこんなに、救いようがないんだろうと切なくなってしまう。優しい優しい愛の象徴のようなコラさんが言うから、尚更。

この気持ち、なんかに似てるなって思ってて、そしたら『moon(※ラブデリック社のゲーム)』における、勇者とか大臣を見てる気持ちを思い出したんですよね。
ドフラミンゴは『生まれながらの悪』『悪のカリスマ』という設定を背負わされて、とてつもない巨悪としてワンピースに登場させられたキャラクターなんですよね。

moonの理屈で言えば、『漫画なんて読むのはやめて、扉を開けて外に出る』ことで、やっとドフィはその設定から解放されるんだなぁと。(moon知らない人、謎の話すぎてすみません笑)

逆にいえば、私がワンピースを読み続ける限り、ドフラミンゴはそういうキャラクターでいるしかない、ので、一生救われないんだなと、気付いてしまいました。
虚無。



今までこんなにワンピースのキャラクターに肩入れした事がなかったので、こういう『尾田先生が決められた設定』に、モニョることもなかったんですが、ドフィにもうすこしコラさんの
無償の愛を分け与えて欲しかったなと思うわけです。
ローを可哀想だと涙を流すなら、ドフィのためにも泣いてあげて欲しかった。今でも悪夢を見るような辛い過去を持った一人の人間で、血の繋がった兄なんだから、もっとドフィのことも愛してあげて欲しかった。

それが"あの日の引鉄"とも言うべきかもしれないけど、それはコラさんがドフィを裏切り続けたことから起きた事件なので、なんかもうちょっと、もうちょっと、こう……なんかあればなと……なんか描写が欲しいな、と思う、ドフラミンゴの女の戯言でした。